無縫地帯

LINEとTwitterの違いが九州の地で大いに語られたようです

アドテック九州はその前フリとなる面白告知サイトの惨状とは別に内容は充実していたようで何よりです。

山本一郎です。九州というとホークスに火山というイメージしかなくてすみません。

先日、広報目的で作成されたランディングページが非常に派手で面白いということで取り上げたデジタルマーケティング業界イベントの「アドテック九州」ですが、そこで行われたパネルディスカッションの取材記事でとても内容が面白く興味深いものがありましたので、ここでご紹介しておきます。

「逆張り」「相互補完」――LINEとTwitterはお互いをどう見てる?(INTERNET Watch 2013/6/6)

パネルディスカッションの登壇者は、Twitter Japanのディレクターである味澤将宏氏とLINE取締役の出澤剛氏という、今をときめく2大SNS関係者。さらに両SNSなどを活用したマーケティング事業を行っているグランドデザイン&カンパニー代表取締役社長の小川和也氏とアジャイルメディア・ネットワーク取締役COOの上田怜史氏が加わるという形。

まず注目されたのは、野村総研が発表した調査結果にあるSNSのユニークユーザー数が約2600万人であるという発言に対して、LINEの出澤氏が以下のように答えている点です。

約2600万人の中にLINEのユーザー数は含まれていない。LINEをソーシャルメディアに含めるかどうかは置いておいて、LINEの国内ユーザーは4500万人に上り、このうち約2300万人が毎日使っている。INTERNET Watch
LINEのアクティブユーザー数が、その他の国内SNSアクティブユーザー数の合計にほぼ匹敵するという形で示されてしまうと、さすがにLINEの圧倒的な勢いを再認識せずにはいられません。ただ、DAUという意味で2,300万人だぞという話になりますと、それはもうソーシャルメディアという区切りよりもメールなどのコミュニケーションツールだという認識でいくのが自然です。

同じタイミングで発表されたスマホ関連のマーケティング調査結果でも、アクティブに利用されているAndroidアプリランキングの1位はLINEが獲得しています。

10万台のAndroidを解析してわかった、いま使われているアプリTop10(App Ape Blog 2013/6/5)

この調査結果はAndroidのみですし、公開されているデータも順位だけで具体的な割合の違いなどは不明なのが残念ですが面白いです。あと、ツッコミ所としては「無音カメラ」が10位に入っているはどうよというのがありますが……。

で、もう一度アドテック九州のパネルディスカッションの話に戻りますが、TwitterとLINEの関係について、やはりLINE出澤氏の話が興味深いです。

LINEができたのはTwitterとFacebookへの逆張り。コインの表と裏の関係性にある。TwitterとFacebookのおかげでネット上でコミュニケーションが取りやすくなったが、オープンなコミュニケーションの裏側にはクローズドなコミュニケーションもある。LINEは、そういったコミュニケーションがネット上にはないという発想があって作ったもの。LINEユーザーの多くはTwitterを使っているし、Twitterで情報発信するとLINEのユーザーが動くことも実証されていて、相互補完の関係にある。INTERNET Watch
ここで、クローズドなコミュニケーションからオープンなコミュニケーションへ発展して両方いいとこ取りのはずだったmixiに全く触れられないのは残念で仕方がありません。日本が誇る一大勢力を忘れるというのは許されることではないと思います。

それにしても、LINEはユーザー投稿の解析をいまのところしていないとありますが、逆にTwitterはその部分のデータを売ることでビジネスにつなげていますから、この辺りのスタンスの違いが今後どのように両者の発展に差をつけるのか注視したいところです。ネット選挙ではいずれのサービスも公式アカウントを発行するなどかなりコミットメントしていますが、LINEからはユーザー投稿解析を得られないとすると、いくらユーザー数が多いといわれても政党側にとっての利用価値はどうなんでしょうか。単なるチラシをばらまくだけですと言われてしまうと、今は政党には無料で提供されている公式アカウント費用も正式には「月額300万円ぐらいする」ようですし、大規模なPRキャンペーンのためのツールとしては微妙な線かもしれません。

LINEがアカウントを展開しているのは、これまでDMやチラシを送っていたのをLINEでやってみてください、というだけのもの。INTERNET Watch
まあ、いまO2Oだなんだと騒いでいるところで、デジタルクーポンの集客有用性がかなりわかってきた状態ですので、その意味でもLINEは時流にマッチしているのかもしれないですね。

もっとも、ただの業者の立場でいうならばそういう上からの状況が解説されたところで「じゃあ、具体的に何をすれば費用対効果が上がるの?」という得心がいかないかぎり100円の収益にも繋がらないんですけどね。残念ですけどしょうがないね。