ICHIRO BLOG引っ越しました

山本一郎です。私のあそこも解禁されそうです。

ところで、参議院選挙の日程がほぼ7月21日投票で決まりそうな動きとなっていますが、それに関連して、日本では初となるインターネット選挙運動に向けた動きが慌ただしくなってきています。

すでに総務省では専用のWebページを設けて関連情報を公開しています。

インターネット選挙運動の解禁に関する情報（総務省）

すべての資料がPDFなので見るのが面倒だという人向けには、まずは要点をザックリとまとめたこちらの記事等が便利かもしれません。

メールとSNSのメッセージは違うの? 分かりにくいネット選挙運動解禁（ガジェット通信 2013/6/4）

割と勘違いされていそうなのは、「選挙期間外、選挙当日の選挙運動はネット内外全てで禁止」という辺りでしょうか。

先日も、政党から候補者として公認された一人がフライング気味な活動をして、さらにそれを応援するようなツイートがあったという話がネット上に流れていましたが、これなどは公職選挙法に抵触する行為の可能性がありそうです。

また、都議会議員選挙の候補者からネット対策の参謀を頼まれたというブログ記事が書かれ、その後削除されたという一件もありました。これなどは、都議会議員選挙がネット選挙解禁の対象外ということで、すでに色々と問題がありすぎです。

ネット対策はいいけど、これって「公職選挙法違反」にならないのかな？（想像力はベッドルームと路上から 2013/5/31）

問題となった当該ブログ記事では「SEO」についても論じられていたようですが、Googleは公式ブログにおいて、ネット選挙で不正なSEO対策などをしないよう訴える記事を公開しています。

選挙活動における検索エンジンを対象とした施策について（Googleウェブマスター向け公式ブログ 2013/4/26）
Google、ネット選挙で不正なSEO対策を行わないように呼びかける（マイナビニュース 2013/4/30）

記事は、ネット選挙開始にあたり、集客や認知度の向上を目的として検索エンジンの検索結果を人為的に操作する不正な施策を行わないように注意を呼びかける内容。このような施策はGoogleが推奨するウェブマスター向けガイドラインに抵触し、同社はガイドライン違反に対して、検索結果で該当Webサイトの掲載順位を下げる、または検索結果から削除するといった対応を行う可能性があるとしている。マイナビニュース

ネット選挙解禁という言葉が一人歩きして、候補者も、またそれを応援する人々も、かなり浮き足だった感じになってしまっていると想像されますが、変なネット業者に仕事を頼んだばかりに選挙活動で不利に陥り、最悪は選挙法違反というパターンも今後色々と出てくるのかもしれません。

また、あまり表面化していないので勝手に指摘してしまいますが、現状でのネット選挙で集められた個人情報の取り扱いは、厳密には実は決まっていません。もちろん仕様約款上は決まっているんですが、イット業界定番の抜け穴があるわけですね。某ネット業界大手が政党向け、立候補者向けに提供しているとされるネット選挙対策パッケージ、これ結構な数が採用されて契約して無料で提供されているんですが、データ関連の保守についての契約文書をきちんと読んでみると、サービス保守のためにデータを業者が保有、管理する仕組みになっています。さすが無料であります。

以前、面白カード会社をM&Aして多額の負債を抱え会社が倒れそうになった某大手の場合、その際に開いてしまったでっかい穴におカネを放り込んで助けてくれた人は某なんとかファンドで逮捕されてシンガポールに飛んでいった某なんとかさんであります。当然、この事業にどっぷりと入り込んでおりまして、そこのデータ処理はなんとかさんが経営する海外の会社が孫請けでやっているなどという話も飛び出す始末ありまして、当局が絶賛大注目している最中、ネット選挙元年は有権者情報が海外流出し万年とかいうつまんないギャグになるのではないかと心配です。

こういう搦め手から政治家に食い込もうというセコい方法を考えるダイヤルQ2あがりのシークレットブーツには投げられた牽制球が頭に当たって退場することだってあるんだよという話も是非吟味していただきたく、ネット選挙自体が事故物件となった挙句、やっぱりイット業界はクズの集まりだと改めて認識を深めるようなことのないよう強く願う次第であります。

何の解禁の話なんだかさっぱりと分からなくなってきましたが、とりあえず間を取ってmixiとハフィントンポストとAMNが悪いということで、旬を逃さず荼毘に付す準備だけは怠らずに日々を過ごす素敵な大人でありたいものです。