中田英寿「超高級日本酒セラー」ぼったくり気味販売の怪と、堀江貴文西村博之の謎のヨイショの謎
サッカー元日本代表の中田英寿さんがPR会社であるサニーサイドアップの連携のもと高額の日本酒セラーの販売に乗り出しましたが、値段といい機能といい微妙過ぎて酷評されています。誰も止めなかったのでしょうか。
以前、女銭湯絵師のプロデュースで謎の炎上を遂げたサニーサイドアップの仕込みで、元サッカー日本代表の中田英寿さんがプロデュースしたという日本酒保存用のセラーが360万円で販売されるという微妙な話が流れてきて、界隈では炎上気味です。
SAKE CELLAR
何しろ、一般的な日本酒セラーでこのサイズのものは25万円から40万円程度であるところへ、メイドインジャパンで中田英寿さんの名前がつくと「日本酒セラースタンダードモデル」が297万5000円(税込)、「日本酒セラー組子オプション」は360万円(税込)とかいう面白価格になってしまうあたりに日本の芸術性を感じさせます。ちなみにこれ、業務用です。
アホか飲食店系の人たちが総じてブチ切れてるのが何となく分かります。
一升瓶がたった36本しか入らない無駄にでかい冷蔵庫が360万?
業務用冷蔵庫メーカーの人が怒るわ
ホンマに日本酒を広める気があるのか
てめえの名前にかこつけた銭儲けだろうに
あと、「十四代」を餌にするな
ちなみに我が国の業務用冷蔵ショーケースとして信頼されているホシザキでこの中田の冷蔵庫に近い大きさのもの
「ホシザキUSB-63B1」
幅630×奥行650×高さ1880mm
四合瓶に近いビール大瓶が96本ではなく176本も入る
そして価格はネットで20〜24円万程度
それがなんで360万も払わないかんのや
クソアホらし
<ホリ(堀江貴文)だから中田さんが一番力を入れているのが流通なの。0℃まで冷蔵できたり、マイナス5℃とかで保存できる氷温冷蔵庫があるんだよ。その冷蔵庫を入れてくれた飲食店には「十四代」を特別に卸すことをしている。>
木下 隆義
日本酒セラーに良い銘酒「十四代」が特別に卸されたとして、それだけ売るわけでもなし、流通とは全く無関係ですからね。
実際、酒蔵300か所以上を訪問したという中田さんの話には誇張はおそらくないものの、交流が深いとされるのはすでに海外への日本酒・清酒輸出実績を持つ大手酒造メーカーが中心で、海外への輸出で活路を見出したい中堅以下の酒造メーカーでは「単に日本のカルチャーを世界に発信する名目で日本酒に目を付けた中田さんとその周辺のビジネスでしかないでしょう」(日本酒イベント関係者)と否定的な見解を持つ人たちも少なくないようです。
もともと、中田英寿さんの日本酒プロジェクトは、技術者派遣を本業とする日研総業の社内研究としてスタートしていて、関係者によれば「もともとは、(日研総業がやっている)技術者派遣という枠組みを、伝統工芸や農業、杜氏にまで広げたい」という中田さんの考えから、日本の清酒・日本酒を世界に売っていくのはどうかという企画へと発展していったとしています。また、別のイベント関係者も中田さんの当初の考えは「日本の良さを世界に知ってもらうプロジェクトで自分が納得して参画できるものがない」ことから、世界に受け入れられる日本酒のアワードを手掛けていくことにしたようです。
実際、2017年1月ぐらいまでは中田英寿さんも顔出しの記事が出ており、日研総業のほうでもサイト更新が続いていましたが、16年暮れにはすでにプロジェクトは終息の方向に向かっていたとのことです。サイトには「Sake Masterで日本酒本来のおいしさを維持しよう。 “THE CELLAR SAKE MASTER” ついに、名称も決定した日本酒セラー」と今回の中田英寿さんのコンセプトそのままの記事も掲載されたままになっていて、その後の更新がないあたりに物事の侘び寂びを感じさせます。いったい何が起きていたのでしょう。
【e仕事】 日研トータルソーシング株式会社(Facebookページ:日研総業グループ:日研トータルソーシング)
ジャパンクオリティを継ぐ「日本の塗師」第一回研修、いよいよスタート!(e仕事×ReVALUE NIPPON 日研総業・モノづくりニッポン 15/3/22)
nendoが手がけた世界初の日本酒セラーが誕生! 仕掛け人は日本中の酒蔵を巡っていた“あの人”でした。(Pen Online 16/5/31)
このPen Onlineの記事では情報提供元が「日本酒セラー開発プロジェクトPR事務局(株式会社サニーサイドアップ内)」になっていて、広報連絡先まで書いてあることからどう見てもペイドのタイアップ記事のように見受けられる割に、記事のどこにも「PR」と書いておらず、これはステルスマーケティングなんじゃないかと思うわけであります。大丈夫なのでしょうか。
関係者は概ね「中田英寿さんの想いは良く分かるが、別に中田さんが日本の伝統芸能に詳しいわけでもないので、結局はただの広告塔として特定の会社がパトロンを集めるための存在でしかなくなってしまっているのではないか」と指摘します。
その後、紆余曲折あって「MIYABINO」なる商品がリリースされます。企画元はアルテクナ社になっていますが実質的なOEM元はさくら製作所です。
スタンダードモデルで参考価格が219万5000円(税別)となっており、しかし収容量が「一升瓶36本、4合瓶94本」程度しかなく、この収容量と機能だと冷機メーカーのラインアップでは常識的に15万円から高くても40万円程度の価格帯で販売されているものではないかと見られます。
この日本酒セラー、本気(マジ)だ! ギリギリの低温「-5℃」を実現する「MIYABINO」は機能も価格もケタ違い(getnavi web 17/11/26)
そして今回、このアルテクナ社と、中田英寿さん自身が代表取締役を務める「株式会社JAPAN CRAFTSAKE COMPANY」およびさくら製作所の3社連携で日本酒セラーである「SAKE CELLAR」なるものが発売される運びとなったわけであります。
日本酒セラーの事業展開に関する業務提携のお知らせ(株式会社アルテクナ 19/4/16)
常識的にはぼったくり価格と揶揄されても仕方のない製品ではないかと思いますが、これをなぜか週刊プレイボーイの堀江貴文さんと西村博之さんの対談連載で絶賛するという珍事がありました。こんな雑なヨイショでサニーサイドアップが何らかお支払いをしているのだとしたら誰にとっても幸せなことは無いのかもしれませんが、とにかくあからさまなので大丈夫なのかと外部が心配になります。
海外のラーメン屋に360万もする日本酒セラー置いて何年でペイすると思って対談しているのかがまず良く分かりません。
ホリエモン×ひろゆきが考える日本酒の海外普及策「ラーメン屋さんでワインの代わりに日本酒を飲ませる」(魚拓:週プレNEWS 19/5/19)
日本酒を日本文化の旗手として世界に売っていこうという考えは賛同しますし、日本発の技術やブランドを立ち上げてしっかりと良さが伝わるビジネスをしたいというのは分かるのですが、著名人とメディアを使ってイベントを行いプロモーションを大々的に展開しドライブをかけていくやり方は、結局は本件のように地金があっさり出てしまうことになりかねません。銭湯絵師の一件からも、またホワイトバンドなどから何を学んでいるのかという雰囲気にもなってしまいますので、せっかく何かを仕掛けるのであれば仕上げは丁寧にやったほうがいいのではないかと思いました。