Stoica Online を始めます

季刊誌「ストイカ」はこの1年間、お休みをしました。昨年10月に4・5号合併号でコロナ大特集を組んで以降、パンデミックの終息を待って満を持したのですが、予想以上に感染の波が長引いて再開が遅れました。その間、何をしていたか、なぜネット版への移行に踏み切ったのか、にお答えしたいと思います。

 

正直に申し上げますと、既往症の再発が深刻なものかどうか、東京と関西を往復して検査に明け暮れていました。神頼みの心境にもなり、入信も考えましたが、回心には至らずでした。それでも未来に望みを持とう、これが結論です。

この間、徒然つれづれに初期キリスト教の異端の研究を始めました。それは「非回心の回心」という天啓に変わりましたが、そのうちに映画『明日に向かって撃て』のラストシーンでブッチとサンダンスが飛び出すように、最後の一花には「ストイカ」を紙媒体でなく、ネットメディアに完全シフトさせよう、と見直す気持ちになりました。

電車内をみても、みなさんスマートフォンの画面を眺めていて、新聞や週刊誌を広げている人はほとんどいません。自分のメディアもいずれ紙に別れを告げる日がくることは明白でした。ネットメディア移行の踏ん切りをつけ、ご購読者のみなさまにお手紙を送ったのは3月11日、それから今日に至るまで時間がかかったのは、サイトのデザインや課金システムに満足できるモデルがなかなかなかったからです。

しかし、動画の制約がなくなる5Gの未来に生き残ることのできるメディアを作ることが可能かもしれないと思えたのは、オリジナルなサイトを制作していく過程で知ったネット周辺の技術革新のおかげです。

活版印刷と物流配送網に依存する従来の雑誌ビジネスが、公衆電話のように滅びかけているのだとすれば、読者の個人情報をできるだけ多く取得して囲い込むことはもはや時代遅れでしょう。社会的距離(ソーシャル・ディスタンス)の時代は誰もが「アノニマス」の仮面をかぶっているようなもので、読者の氏名も性別も住所も電話番号も勤め先も知る必要はなくなります。

これまでは、前払いの年間購読で読者を釘づけにするのが紙媒体のビジネスのコツだったとすれば、むしろ逆張りの発想で抱き合わせをやめ、読みたい記事だけバラで買えるほうが便利でしょう。それでは自分の関心事だけしか見なくなるSNS症候群に陥って視野が狭くなる、とお考えの方には、全記事が読める月間購読もお得な価格でご用意します(22年4月から)。

印刷、発送、読者管理、個人情報保護から解放されるため、課金はクレジットカードに限定させていただきました。グーテンベルク以来の活版印刷の蓄積にはひとしお愛着がありますので、長文でも読むに耐える美しい画面をデザインしました。慎重を期してバグを検証するため助走期間を設け、まず試用版(β版)としてスタート、読者のみなさまのご要望、ご注文を反映させて改良し、来年4月の月間購読開始の本番に備えたいと思います。

「ストイカ・オンライン」のご利用ガイドは別記事にしましたので、そちらをご参照ください。それでは、ネットメディアという器にどんなコンテンツを盛るかをご紹介しましょう。

<コンテンツ紹介>

創刊者の志と自己紹介左側の英文ファンクション列(左列)の2段落目「ABOUT US」をクリックしてご覧ください。季刊誌「ストイカ」はオピニオン誌として2019年10月に創刊しましたが、今回の「ストイカ・オンライン」は発売日に縛られないネットメディアの機動性を生かして、創刊者が年来こだわってきた調査報道へも回帰します。もっとディープで、かつ時代の先見性があり、プランBの政策提言もできるコンテンツをお届けしたいと思います。

コンテンツ3分類区分けすると「記事」と「コラム」と「ブログ」の三つです。記事は新着順にトップページに上から並びます。新着記事が来れば、既存の記事は下にさがっていって、トップページから外れると過去記事になります。記事には有料記事と無料記事があり、見出しの上に「NEW」とあるのが新着、「FREE」とあるのが無料です。有料記事は途中までは読めますが、ご購入手続きを済ませれば全文が読めます。

記事のキラー・コンテンツ単発記事のほか、編集部がテーマを企画し、取材チームを編成して、長期連載する深掘りのプロジェクト・シリーズを進めます。以前もオリンパス報道のように長く連打するシリーズを試みましたが、その発展型です。このため、調査報道の端緒になるリーク(内部通報)を歓迎します。左列の「CONTACT US」の「内部通報」にチェックして送信をお願いします。氏名、メールアドレスが必須ですが、これは事実を精査したり面談したりする必要からで、守秘はお約束します。

読みごたえのあるコラム雑誌「ストイカ」から、山本一生氏の「流視逍遥」、池田卓夫氏の「通奏低音」、石田哲大氏の「風味花伝」、編集人の「Apholists」の4コラムに、垂秀夫氏撮影の写真コラム「満目青山」を継承して連載を続けます。新たに田勢康弘氏の歌謡曲コラム「世は歌につれ」が引っ越してきます。どのコラムも無料で閲読することができます。

ブログ引っ越しブログも無料です。山本一郎ブログ「無縫地帯」が過去掲載の1000本以上とともに移ってくるほか、編集人ブログ「最後から二番目の真実」も再開し、過去掲載の800本以上がアーカイブスから読めるようになります。「無縫地帯」は左列の下段ALLIANCEに、編集人ブログは上段のEDITOR BLOGから入ることができます。

<ALLIANCE>

サイトの相互リンク巨大プラットフォームのニュースページ、既存商業メディアのオンライン版の多くは、他メディアの断片情報を買い叩いて数多く載せる「他人のフンドシ」商法です。カネと手間がかかり、リスクも負いながら独自スクープを追う調査報道は、その志のある記者個々人が日々取材を重ね、孤軍奮闘しています。そうした単独行のジャーナリズムを支援し、連携するためにサイトの相互リンクを呼びかけています。貸し借りなしのリンクですので、ALLIANCEの欄に仲間を順次加えていきます。

DONATION巨大プラットフォーマーに対抗するには、読者との連帯やご支援も必要になります。漫然と寄付を募るのではなく、キラー・コンテンツである標的を定めた連載企画について、読者から応援の寄付金を募る仕組みを現在設計中です。米報道メディア「プロパブリカ」ProPublicaは、広告に依存せず寄付金収入だけで調査報道のコストと無料公開のウェブサイト運営を賄い、経済的自立を守っていますが、それを参考にして「ストイカ」も来年4月の本番開始前にDONATIONコーナーを設ける予定です。

お問い合わせ記事内容についてもできる範囲でお答えしたいと考えています。左列の「CONTACT US」をクリックして、「お問い合わせ」の欄に氏名とメールアドレスを記入したうえで送信してください。匿名の方には応じかねますのでご了承ください。「ストイカ」から会員のみなさまへのお知らせは左列のINFORMATONをご覧ください。

お詫び11月1日午前零時の公開予定でしたが、2時間ほど画面が見えなくなる事故が発生しました。システム上のトラブルが原因でしたが回復しました。アクセスしたみなさまにご迷惑をおかけしたことをお詫び申しあげます。