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国広総合法律事務所への公開質問状(ニイウスコー関連)
カルパースへの公開質問状に続いて、ニイウスコーの監査法人だったトーマツに対し、07年の第三者割当増資に応じた引受先2ファンドが起こした訴訟について、原告代理人の国広総合法律事務所に対して、本来の被告はトーマツでなく、メーンバンクだった三菱東京UFJ銀行(BTMU)であり、その銀行系ファンドとみられるフェニックス・キャピタルが原告に名を連ねているのはおかしい、と問題提起するものです。
もちろん、だからといってトーマツが免罪されるべきだと主張しているのではなく、この訴訟自体がBTMUのイチヂクの葉になっているのではないかと問いかけるものでした。カルパースに質問状を送ったことを付記しているのは、グルとしか見えないこれら日本国内の関係者に対し、海外からのチェックがありうることを示唆するものでした。
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国広総合法律事務所
弁護士國廣正 様
中村克己様
五味祐子様
新熊聡様
東京地裁民事訴訟(平成21年―20456号)についての質問状
ファクタ出版株式会社
月刊FACTA発行人阿部重夫
拝啓
時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。ご承知かと思いますが、弊誌FACTAは調査報道を中心とする月刊誌で、直近3号で「メガバンクの仮面」と題して三菱東京UFJ銀行(以下、BTMU)と破綻したニイウスコーの関係を検証する連載記事を掲載しました。ご精読いただければお分かりでしょうが、この件は東京地裁民事45部で係争中の訴訟(平成21年―20456号)と密接に係わりがあります。
この訴訟は貴事務所を代理人とし、ネプチューン・ホールディングスLPとフェニックス・キャピタルを原告とし、ニイウスコーの監査法人だったトーマツを被告とするものです。弊誌の取材の結果、ニイウスコーの粉飾については主取引銀行のBTMUが早くから知るところであったにもかかわらず、2007年の第三者割当増資については投資家にそれを知らせることなく引き受けさせ、かつ約束した債務の株式化(デット・エクイティー・スワップ、以下DES)も履行しなかったのは、銀行にあるまじき詐欺的行為とも見え、結果として翌年の民事再生法申請で債権回収を優先させたとの疑いが濃厚になりました。
本件訴訟の被告であるトーマツは、事前の資産査定(デューデリジェンス、以下DD)によってこの粉飾を指摘してできなかった責任はあるものの、本来非とすべきはニイウスコーの粉飾隠しに加担し、かつその過程で数々の銀行法違反、金融商品取引法違反の疑いの濃い行為をしたBTMUではなかったでしょうか。弊誌記事でも明かしましたように、弊誌はBTMUが事前にKPMG FASにDDさせた報告書を改竄した証拠を入手しています。それらの資料は証券取引等監視委員会にも提出されており、これらを勘案すると、上記訴訟のシナリオは大幅に変更せざるをえないかと考えます。
弊誌はまた、原告ネプチューン・ホールディングスLPが、実質的には独立系ファンドのロングリーチグループであり、彼らを突き上げて訴訟を提起させた機関投資家の一つに、全米第一位の規模の機関投資家、カリフォルニア州職員退職年金基金(以下、カルパース)が含まれていると知りました。そこで上記訴訟の訴因、および被告の妥当性について、弊誌はカルパースに質問状を出すことにしました。併せて原告代理人に対しても、この訴訟方針についてのご見解をうかがいたく存じます。
1) 増資決定前にKPMG FASが行ったDD報告書を見ているか
ロングリーチは「見ていない」としています。しかし原告の一角であるフェニックスはBTMUとの密接な関係から知りうる立場にありました。代理人に対して、改竄前、改竄後の報告書を訴訟提起前に提出していますか。
2) KPMGのDD報告書をBTMUが書き直させたことは、ファンドの投資家に対する背信行為ではないか
3) BTMUがニイウスコーがリリースしたDESを履行しなかったことが、ファンドの投資家の損失を大きくしたと考えるか
4) 損害賠償を請求する対象は、トーマツよりもむしろBTMUと考えないか。フェニックスはBTMU系列と目され、本件の原告二者は利害が相反するのではないか
5) カルパースなどファンドの投資家に対しては、FACTAの問題提起の後、どのようにこの訴訟の妥当性を説明しているのか
以上です。お忙しいところ恐縮ですが、締め切りの都合もございますので、9月10日までにご回答をいただければ幸甚と存じます。弁護士の守秘義務から「個別案件に答えられない」のでしたら、オフレコでの取材、もしくは情報交換に応じていただけないでしょうか。訴訟の今後を考えますと、けっして損ではないと考えます。
なお、本誌最新号の発売日(8月20日)の2日後、JR中央線四ツ谷駅構内にて、日本IBM最高顧問、大歳卓麻氏が女性のスカートの中を盗撮した疑いで逮捕され、都迷惑防止条例違反の疑いで近く書類送検されることになりました。大歳氏は1999年から2008年まで日本IBM社長をつとめ、IBMと野村総研の合弁企業であるニイウスコーには深く関わった人物です。また、総務相の諮問機関、情報通信審議会の会長やBTMU、TOTO、花王の社外取締役でもありました(8月30日辞任)。
ニイウスコー破綻の根は深く、弊誌はBTMUと日本IBMの「関係」を今後とも追及していく所存です。ご協力のほどお願い申し上げます。
敬具
これに対し国広総合法律事務所は9月7日にファクスで予想通りのノーコメント回答をしてきた。
ご連絡
前略貴殿からの質問状、拝見いたしました。
貴殿もご指摘のとおり、当職らは法律の守秘義務を負っておりますため、質問状への回答、取材への対応等については応じかねますのでご了承下さい。早々
もちろん、弊誌はそう簡単に了承しない。東京地裁民事45部の石井浩部長がこの公開質問状に目を止めることを期待しよう。ご担当の裁判は、被告と原告がごちゃまぜの茶番劇なのですから。
カルパースへの公開質問状(ニイウスコー関連)英文添付
しばらくブログの間があいた。さすがに英気を養う夏休みをとり、休めばたちまち取材日程が立て込んで、ブログを書いている暇がなかったからというのは言い訳がましいだろうか。
もうひとつは事情があって、懸案の本の原稿を急ぎ書き上げる必要が出てきたからです。ちょっとその調べもので忙しいというのが本音である。
とはいえ、あんまり沈黙していると、夏バテでくたばったかと、変に憶測する連中がいる。どうもFACTAが鬱陶しいと思っているステマ部隊が、あらぬ噂をたてそうなので、ここでアッカンベーをしてみたい。
さて、恒例の公開質問状である。今回は「モノ言う株主」として有名な全米最大の機関投資家「カリフォルニア州職員退職年金基金」、つまりは「カルパース」のCIOとコーポレート・ガバナンス担当者に対し、本誌が前号まで3回連続で追及した三菱東京UFJ銀行とニイウスコーの問題をどう考えるのかを問いただすとともに、問題提起する質問状である。
なんとなれば、ニイウスコーが破綻半年前に実施した第三社割当増資200億円の引受先となった2ファンドのうちのひとつにカルパースが投資していて、それが大きな損失を出しているからだ。この2ファンドはニイウスコーの監査法人だったトーマツに対し東京地裁で賠償請求訴訟を起こしているが、背後にはカルパースの強い突き上げがあったという。
だとすれば、本誌報道でニイウスコーのメーンバンク、三菱東京UFJ銀行に対しても、その粉飾を知りながら第三者割当増資を実行させ、その際にデット・エクイティー・スワップ(債務の株式交換)を内諾しながら見送った行為を、投資家は黙認するのか、と問いかけたのである。
9月末を回答期限としているので、それを待っている段階だが、それを広く一般に議論してもらう狙いをこめて、このブログで公開しよう。カルパースに送ったのは英文なので、日本語のほかに英文も添付した。その他に資料として送った弊誌「メガバンクの仮面」シリーズの英訳は割愛した。
Mr Joseph A. Dear
CIO of Calpers
Ms Anna Simpson
Senior Team Director
Corporate Governance
CalPERS
NIWSCOに関する質問状
我々は日本の調査報道専門の月刊誌FACTAです。その雑誌名は昨年、日本で起きたオリンパスの粉飾事件をどのメディアよりも早く報じ、社長のマイケル・ウッドフォードの反乱の引き金を引いて、不正が暴かれたことでお聞き及びかと思います。弊誌は常々、カルパースの投資方針や運営方針を注視し、コーポレート・ガバナンスについての見識に深い尊敬の念を抱いてきました。我々の雑誌の使命も、日本の歪んだ資本市場にカルパース哲学の合理性を貫徹させることと信じております。
さて、FACTAはカルパースに新たな問題を提起したいと思います。2008年に起きた日本IBM系企業、ニイウスコーの破綻についての疑惑です。破綻4カ月前に行ったニイウスコーの増資引き受けに、カルパースも独立系ファンドのロングリーチグループを通じて加わっていたと聞きましたので、カルパースも当事者になります。
この増資は08年夏に決定され、ロングリーチとフェニックス・キャピタルの二つのファンドが11月に合計200億円を払いこみました。ところが、事前の資産査定では発見されなかった循環取引などの粉飾が社内委員会の調査で発覚、4カ月後に民事再生法(アメリカの破産法11条)適用を申請してニイウスコーは破産しました。元会長と元副会長は5年間で計682億円に及ぶ売上高過大計上で刑事訴追され、一審で有罪判決を受けました。
FACTAはこの経緯を深く掘り下げ、主取引銀行の三菱東京UFJ銀行(BTMU)が増資前から粉飾を知っていたことを突き止めました。07年上期にKPMG FASが行ったニイウスコーの資産査定で粉飾が発見されたにもかかわらず、BTMUはその報告書を改竄させたのです。FACTAは改竄前と改竄後の報告書コピーを入手し、その他の関連資料からも、BTMUがニイウスコーの粉飾隠しに協力し、何も知らないファンドの投資家を増資引き受けに引っぱりこんだことは明らかです。
フェニックスは幹部がBTMU出身ですから、事実上の系列ファンドであり、BTMUの言いなりでした。ロングリーチはKPMGの報告書を見ておらず、トーマツによる資産査定で「問題なし」とのお墨付きを得たうえ、デット・エクィティー・スワップ(DES)を含めたBTMUの全面支援を信じて135億円の出資に踏み切りました。ところが、BTMUはDESを履行せず、法的処理の道を選びました。結果として、返済順位が劣後する投資家が泣きを見て、融資銀行の債権回収が優先されたことになります。
ロングリーチはフェニックスともに短期間で大損をこうむったため、監査法人のトーマツを被告として損害賠償請求の民事訴訟を起こしました。4年を経てまだ係争中です。しかしこの訴訟は、粉飾見逃しの責任のあるBTMUを被告にしていないなど大きな矛盾を抱えています。弊誌は原告代理人の弁護士に質問状を送りましたが、カルパースに対してもご見解をうかがいたいと思います。
1) カルパースがロングリーチを通じてニイウスコーに出資した経緯について、カルパース内ではどう結論づけているか
2) KPMGのDD報告書をBTMUが書き直させ、さらにそれを隠したことは、ファンドの投資家に対するBTMUの背信行為と考えるか
3) ニイウスコーがリリースしたDESをBTMUが履行しなかったことが、ファンドの投資家の損失を大きくしたと考えるか
4) 損害賠償を請求する対象は、トーマツよりもむしろBTMUではないか。フェニックスはBTMU系列と目され、原告二者は利害が相反するのではないか
5) メガバンクは「アームズ・レングス・ルール」を無視し、投資家の犠牲のもとに債権保全を優先する構造的欠陥を持っているのではないか
以上です。関連資料も同封いたしました。必ずやカルパース内でこの問題について、真摯な議論が交わされることを期待いたします。質問状の回答については9月末までに文書ないしはメールかFAXでいただければ幸甚です。
シティ・グループのサンディ・ワイル元会長も7月にCNBCテレビで「メガバンクは解体すべきだ」と語りました。BTMUはモルガン・スタンレーの株主であり、国内では三菱主体の三菱UFJ・モルガンスタンレー証券と、モルガン主体のモルガンスタンレーMUFG証券の二つをもつ奇怪な金融グループを形成しています。日本IBMとは銀行システムで持ちつ持たれつの関係で、そうしたメガバンクの構造的欠陥からニイウスコーのような粉飾が派生したのだと思われます。似たような事例は数多くあり、その一端はFACTAの調査報道が暴露していますが、まだ氷山の一角です。
ニイウスコー事件当時、日本IBMの社長だった大歳卓麻最高顧問が8月22日、痴漢行為で逮捕され、30日にBTMUの社外取締役を辞任しました。彼らの腐敗を象徴する事件だと思います。FACTAは今後もメガバンクの病理を追及していく所存です。資本市場の良心として、尊敬してやまないカルパースのご協力を願ってやみません。
さて、これからが英文である。世界で言われる「日本資本主義の特殊性」が、まさにこの問題の延長線上にあることを広く知ってもらいたい。
Mr. Joseph A. Dear
CIO of CalPERS
Ms Anna Simpson
Senior Team Director
Corporate Governance
CalPERS
Questions about NIWS
We are a monthly Japanese magazine called FACTA, which specializes in investigative reporting and analysis on financial and economic issues (please refer to the attached company and magazine profiles). You might have heard of FACTA as it was the first magazine to report on Olympus’s window-dressing scandal. Our article triggered official criticism from Michael Woodford, former president of Olympus Japan, against Olympus’s management, which revealed one of the biggest and longest-running loss-hiding arrangements in Japanese corporate history.
FACTA pays close attention to economic news and events around the world, including CalPERS and your investment and management policies. We have a deep respect for CalPERS’ policies, expertise and advice on corporate governance as a leading global investor representing California’s public employees and retirees. The mission of our magazine is to change Japan’s vented capital market to more closely meet CalPERS’ philosophy.
I am writing from FACTA to raise an issue which should be a matter of serious concern to CalPERS. It is about our suspicions concerning the bankruptcy in 2008 of computer systems integrator NIWS Co. HQ Ltd., an IBM Japan group company. We heard that CalPERS invested in NIWS’s capital increase through the Longreach Group four months before NIWS went bankrupt. Therefore, CalPERS was involved in the NIWS capital increase issue.
The capital increase had been decided in the summer of 2008, and two PE funds, Longreach and Phoenix Capital together paid 20 billion yen in November 2008. However, a series of window-dressing transactions which had not found in the business due diligence by those two funds were discovered through an investigation by an NIWS internal committee. NIWS applied under the Civil Rehabilitation Law (equivalent to Chapter 11, Title 11 of the U.S. Code-Bankruptcy) four months later, and went bankrupt. The former chairman and former deputy chairman were sued for criminal loss of an alleged total of 68.2 billion yen for having engaged in wholesale financial reporting fraud for the past five years (till 2008). They were found guilty.
FACTA had researched the process and background very deeply and completely and reached the conclusion that the Bank of Tokyo Mitsubishi UFJ (BTMU), NIWS’s main bank, had known about the window-dressing of NIWS before NIWS’s capital increase. In the first half of 2007, NIWS’s window dressing was revealed in the due diligence of NIWS’s assets, conducted by KPMG Financial Advisory Service; however, BTMU ordered KPMG to revise its report to eliminate any mention of the fraudulent financial reporting.
FACTA received copies of both due diligence reports and other related materials before and after the falsification. It is very clear that BTMU knew about the window-dressing but worked with NIWS to silence that fact and induced the two funds and their investors to underwrite NIWS’s capital increase. In addition, a fund that had been considering an investment in that capital increase also pointed out to BTMU the possibility of a huge window-dressing effort by NIWS.
Phoenix Capital’s executives are former BTMU bankers and so it can be said that, as the fund is realistically, under the BTMU group, it listened and followed BTMU’s advice, as usual. Longreach did not read KPMG’s due diligence report or any other fund considering an investment in the capital increase that had pointed out possible window-dressing. Therefore, Longreach decided to invest 13.5 billion yen in NIWS’s capital increase, including a DES (debt equity swap), with a “no problem” assessment as a result of due diligence conducted by Tohmatsu and the full support of BTMU. However, BTMU did not execute the DES, but chose a legal way to liquidate NIWS. As a result, investors ranked as subordinate creditors received huge losses, but banks who had made loans to NIWS received preferred positions to call in their debts.
Longreach was the recipient of the same huge loss as Phoenix. Longreach filed a civil lawsuit against Tohmatsu, claiming damages. After four years, it is still under litigation. This raises the question we wish to ask CalPERS. The suit contains a contradiction as it sues Tohmatsu and not BTMU, who had intentionally suppressed the window-dressing and therefore caused damage to NIWS’s investors. FACTA sent an official list of questions to a lawyer representing plaintiff Longreach about our findings. Given the background above, we also would like to ask CalPERS for comments regarding the following questions:
1) What was CalPERS’ conclusion regarding the background and process behind CalPERS’s decision to invest in NIWS through Longreach in 2008 in face of receiving a huge loss when NIWS went bankrupt just four months after the CalPERS investment?
2) What do you think about BTMU’s instructions to revise KPMG’s due diligence report and keep it secret? Would you consider it to be unlawful or at least immoral behavior toward investors?
3) Do you think that the losses were magnified by BTMU’s non-execution of the DES released by NIWS?
4) We believe that the defendant should be BTMU, not Tohmatsu. As Phoenix is the BTMU Group’s PE fund, there is a conflict of interest between two of the current plaintiffs, Longreach and Phoenix. What are your comments regarding this point?
5) Japanese megabanks ( BTMU is one of three megabanks ) neglect the “arms-length rule” and are structurally deficient in that it preferred to protect its debts by sacrificing its investors. What is your view on this point?
We also have enclosed some materials relevant to this issue. We sincerely hope that CalPERS understands the seriousness of our findings and will discuss them internally and prepare a response to our questions. We would be most appreciative if you could send your replies to us by the end of September either by e-mail or facsimile.
Sandy Weill, former chairman of Citi Group, commented on CNBC TV in July that “Mega banks must be dissolved.” BTMU is a shareholder in Morgan Stanley and it forms a conglomerate including two securities firms: Mitsubishi UFJ Morgan Stanley Securities led by Mitsubishi and Morgan Stanley and MUFG Securities led by Morgan in Japan. Phoenix is generally regarded as BTMU group’s captive fund. BTMU has close ties to IBM Japan. The fact that the bank and IBM Japan have such close ties and cooperate with each other for each other’s advantage is at the crux of NIWS’s window-dressing scandal. There were and are many similar cases, some of which we have managed to uncover through our investigative efforts. However, they are only the tip of the iceberg.
Mr.Ohtoshi, who was CEO of IBM Japan at the time NIWS affairs happened, had been a board member of MUFG until 22nd of August when he was arrested for lady molester and resigned board of director at MUFG. This is the symbolic affair representing lack of morale which lies between BTMU (including Phoenix) and IBM Japan.
FACTA is continuing to investigate possible improprieties and illegalities of mega banks in an attempt to bring about a change to Japan’s vented capital market.
We sincerely hope that CalPERS understands our mission. We are looking forward to your frank and open response. Please do not hesitate to contact us if you have any questions.
Editorial Department
FACTA Publishing Company
厚生労働省保険局への公開質問状
厚生労働省保険局
薬価および調剤医療費ご担当様
調剤薬局に関する質問状
ファクタ出版株式会社
月刊誌FACTA発行人阿部重夫
拝啓
時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。弊誌は調査報道を中心とする月刊誌で、昨年のオリンパス報道や富士薬品など医薬関連問題もたびたび取り上げているので、お聞き及びかと思います。弊誌は調剤薬局のオーバーストア問題や調剤医療費の増加について現在取材中で、この件についてご当局の見解をうかがいたく、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。お尋ねしたいことの柱は以下のとおりです。
1) 調剤医療費の増加
平成23年度版の調剤医療費(電算処理分)では、前年度比7.9%増と他の医療費目に比べ依然高い伸びです。これは1970年代からの医薬分業が当初の狙いであった医療費抑制をもたらさず、分業の設計ミスと考えられますが、厚生労働省の見解は?
2) オーバーストア
コンビニの4万4000軒を上回る5万3000軒の薬局があり、病院前に門前薬局が軒を連ねる光景は明らかに過剰です。これはむりやり医薬分業を進めたため、中小のパパママ零細薬局が増え、彼らをペイする水準に調剤費を設定したために、大手がボロ儲けする構造になったのではないか。
3) 院内処方と院外処方
24年度薬価改定でも、薬剤師側につけられた技術料名目の点数が、医師の診療報酬に比べ著しく高くなっていて、事実上、院内処方より院外処方のコスト高を招いているのではないか。院内処方と院外処方のコスト比を教えてください。
4) 薬価差
薬局の収益は、一括大量仕入れによる製薬会社側のディスカウントに依存しているとおもわれますが、23年度薬価調査では基準価格との乖離率が8・4%でした。これは製薬会社と薬局が薬価の超過利潤を山分けしていることを意味します。24年度の薬価切り下げで、この乖離率をどれだけ低下させられるか、目標を教えてください。
5) 疑義照会のまやかし
医薬分業の目的の一つはダブルチェックでした。しかし現状では、薬局の薬剤師はカルテを見ておらず、処方ミスを指摘できるとは思えません。大手の薬局チェーンなどは作業行程工程がマニュアル化していて、現実には棚から錠剤をおろして詰め替えているだけで、これで技術料とはあきれますが、どう指導しているのですか。
6) ジェネリックへのインセンティブ
医療費抑制のためにジェネリックへのインセンティブをつけていますが、日本調剤のように調剤薬局が自分の系列会社(日本ジェネリック)を持つのは店頭での利益誘導行為を招きかねません。製販一体について厚生労働省の見解は。
7) 高額報酬
日本調剤の社長は6億円以上の役員報酬を取り、京都の洛翆を24億円で購入しました。医療費抑制が叫ばれている折、本来、医薬のコスト抑制に協力すべき調剤薬局が、バブルでぼろ儲けして贅沢を謳歌している現状を厚生労働省は放置するのでしょうか。
以上です。お忙しいところ恐縮ですが、締切の都合もございますので、9月7日(金)までにメール、またはFAX等でご回答いただきますようお願い申し上げます。敬具
9月3日
日本調剤への公開質問状
日本調剤株式会社
広報担当者御中
日経ビジネスインタビューなどに関する質問状
ファクタ出版株式会社
月刊誌FACTA発行人阿部重夫
拝啓
時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。弊誌は調査報道を中心とする月刊誌で、昨年のオリンパス報道や富士薬品など医薬関連問題もたびたび取り上げているので、お聞き及びかと思います。9月3日号の日経ビジネス「クスリの未来」特集と御社の三津原博社長のインタビューを拝読させていただきました。調剤薬局のオーバーストア問題や調剤医療費の増加について弊誌も取材中ですので、この記事を拝読していくつかご見解をうかがいたい点が出て参りました。
一例を挙げましょう。三津原社長はインタビューで「資本主義社会では、利益とは社会の評価です。誰にも迷惑はかけていません」として、6億5000万円の役員報酬を正当化しています。しかし第1四半期で日本調剤は経常利益が89%減となり、ペナルティー的な4月の薬価改定の影響を認めました。これは調剤薬局の高収益が行政のさじ加減ひとつで左右されることを示し、社会の評価だけによるものとは言い切れないと思われます。
以下、質問項目を6点ほどあげましたので、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
1)「医薬分業」では医療費を抑制できないと考えないか
調剤医療費が他の医療費より伸びが突出(平成23年度7・9%)しているのは、薬価差益を医師から薬局に並行移動させただけではないのか。医師がグリーディーなら薬局もグリーディーだったにすぎず、自らの報酬がそれを示していないか。
2)ダブルチェックは単なるお題目ではないか
医薬分業の目的はダブルチェックだというが、現実には棚卸、袋詰め作業などの単純労働で、技術料が取れる水準ではないのでは?薬剤師の地位向上というが、日本調剤が薬害について何か貢献したことはあるのか。
3)オーバーストアの原因は何であると考えるのか
中小薬局保護のための甘いインセンティブが、大手の薬局チェーンを潤わせてきたのに、社長は「パパママストアでは限界がある」「競合に手心を加える必要はない」とインタビューで答えており、あとは共食いで生き残るしかないと考えているのか
4)行政の制約下で完全競争原理が働くのか
社長は「社会保険の制度において商売をしているから利益を取ってはならないというルールはない」と語っているが、電力料金と同じく超過利潤の太宗が規制に依存している業界で競争原理を言う資格はないのではないか。大手薬局チェーンによる優越的地位の乱用など独禁法に抵触する恐れがあると考えないか。
4)薬剤師不足は薬局の首を絞めないか
病院所属の薬剤師が高収入につられて薬局業界にシフトしていることは、医薬分業を促進する反面、薬局業界のコスト高を招く。すでに行政は調剤医療費抑制へ動きだし、超過利潤が絞り込まれると、高収入を維持できなくなるのではないか
5)後発薬の製薬メーカーを薬局が持つのは医療費抑制には逆効果ではないか
日本調剤が日本ジェネリックを創業し、傘下の調剤薬局チェーンで357品目を売る製販一体方式は、後発薬へのインセンティブが潤沢なことを狙ったビジネスモデルであり、超過利潤を固定させることにならないか
6)外資の後発薬参入で業績予想は修正すべきではないのか
日本ジェネリックは今期第一四半期に黒字となり、社長も「3-5年で売上高1000億円」と言っていますが、8月に提携を発表したファイザーとマイランのように資本力と開発力に勝る外国勢の参入で、取らぬ狸の皮算用にならないか。第一四半期の大幅減益にもかかわらず、通期の業績予想を変更しない理由は何か
以上でございます。お忙しいところ恐縮ですが、締め切りの都合がございますので、9月10日(月)までにご回答いただければ幸いでございます。よろしくご協力のほどお願い申し上げます。
9月5日